風の行方 風が何処から来て何処へ行き過ぎていくのか知らない。頬に触れる微風を快く思い、過ぎ去ることを省みない。それは恰も鳴り止んだ音楽の余韻を聴くようなものである。 無風であることを無風であるというのは、風を知っているからである。全くの無音…
「沈黙の聖人」 「私が「私」というとき、それは厳密に私に帰属するような「私」ではなく、私から発せられた言葉のすべてが私の内面に還流するわけではなく、そこになにがしか、帰属したり還流することのない残滓があって、それをこそ、私は「私」と呼ぶであ…
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