鏡花水月

キョウカスイゲツ

2015-12-01から1ヶ月間の記事一覧

「阿留辺幾夜宇和」(二)

明恵上人 「ユングの言う個性化、あるいは自己実現について、日本人としてはどのように考えるべきかが、私にとって終生の課題となった」と記した河合隼雄氏は、「個性化の過程」についての洞察を深めることをも目的の一つとして、明恵上人を取り上げ『明恵 …

「阿留辺幾夜宇和」(一)

「心を開く」 「心を開く」という表現がある。心は開いたり閉じたりする構造であると、いつから言われ認知されたのか知らない。 例えば、面接法でオープンクエスチョン、あるいはクローズドクエスチョンというのがある。これは、質問者が回答者に「語らせる…

『零までの道』

「呼ばれる」 「本には読前・読中・読後の佇まいがある」とは松岡正剛氏の言われた言葉である。偶然手にした一冊の本が、その人に「その時」ーその本に触れることが最も望ましい時期ーであることを告げ、その人の中に他に代替がきかぬものとして認知され、や…